元手が掛からないおススメ助成金
2017年10月25日
助成金には、主に二つのパターンがあります。
ひとつは、事前に費用を支出し、要件を満たした場合にもらえる「支出前提」の助成金。もうひとつは、人材開発支援助成金(制度導入コース)のように、一定の仕組みを会社に導入することでもらえる「元手が掛からない」助成金です。
今回は、元手が掛からないおススメの助成金をご紹介します。
1.人材開発支援助成金
(1)人材開発支援助成金とは
人材開発支援助成金は、平成29年4月1日からキャリア形成促進助成金から名前が変わったものです。雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能の普及に対して助成する制度です。以下のように訓練と制度導入に分かれています。
□人材開発支援助成金の訓練関連
- ①特定訓練コース(労働生産性の向上等、訓練効果が高い内容について助成)
- ②一般訓練コース
□人材開発支援助成金の訓練関連
- ①セルフ・キャリアドック制度
- ②教育訓練休暇等制度
- ③技能検定合格報奨金制度
- ④社内検定制度、業界検定制度
(2)人材開発支援助成金の対象労働者
人材開発支援助成金の対象従業員は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者を除くとされ、いわゆる正社員を対象としています。
(3)平成29年4月1日からの変更点
- ①平成29年4月1日からキャリア形成促進助成金は人材開発支援助成金と名前が変更となりました。同じ制度で2度助成を受けることはできません。
- ②「キャリア形成促進助成金 制度導入コース」について、大企業への助成及び「教育訓練・職業能力評価制度導入助成」を廃止し、キャリア形成支援制度導入コース及び職業能力検定制度導入コースの2つのコースに再編されました。
- ③特定訓練コースについては、助成対象訓練時間の要件を20時間以上から10時間以上に緩和されました。
(4)人材開発支援助成金(制度導入関連)の手続要件
- ①職業能力開発推進者を選任している事業主であること。
職業能力開発協会へ「職業能力開発推進者調べ」という書類を提出すること。 - ②導入する制度を就業規則または労働協約に規定すること。
(注)支給申請時に労働基準監督署への届出済就業規則を添付。 - ③労働組合などの意見を聴いて事業内職業能力開発計画を作成し、雇用する労働者に周知している事業主であること。
(5)制度別の支給額
- セルフ・キャリアドック制度47.5万円~60万円
- 教育訓練休暇等制度47.5万円~60万円
- 技能検定合格報奨金制度47.5万円~60万円
- 「生産性要件」を満たしている場合、助成額を各60万円に増額
- ①助成金の支給申請等を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年前に比べて6%以上※1伸びていること。
- ② 「生産性」は次の計算式によって計算します。
生産性゠(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数※2
なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。
※1特例として、1%以上(6%未満)伸びている場合には、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること。
※2雇用保険法第4条で規定されている雇用保険被保険者であること。